ポートレート撮影に関わらず、写真撮影までの設定の流れはほぼ同じです。
まずは、撮影したいイメージを決めて、被写体の位置やライトの位置などを決めてライティングセットを組みます。
左のライティングはベーシックにアンブレラを使用して、ストロボ部には、一般の方がお持ちのスピードライトを使用しています。
それと写真には載っていませんが、ストロボの反対側にカポック(レフ板)を設置しています。
モデリングランプがないので、撮影前に影の出方を確認は出来ませんが、この様なシンプルなライティングであれば、撮影をしながらライトスタンドの位置を変えることも可能です。
アンブレラはモデルさんのやや斜め上で45度付近に設置しています。
そうそう、アンブレラを使っても被写体からあまり離し過ぎると、面光源から点光源になってしまいますので、覚えておいて下さいね。
また、アンブレラはモデルさんの瞳にキャッチライトとして、光を入れる効果もあります。
写真として仕上がった時に、モデルさんの目にキャッチライトがあるのとないのとでは、見た目の印象がかなり異なってきますよ。
このライティングセットでは、カメラとスピードライトを「シンクロケーブル」で繋いでいます。
床にあるコードのことです。
「シンクロケーブル」を使わない方法などもありますので、ご興味のある方は調べて見て下さいね。
「シンクロケーブル」は「PCケーブル」とも言われる場合があります。
これでカメラのシャッターを押せば、スピードライトが同調します。
カメラのTTL自動調光で撮影をしたい場合は、カメラとスピードライトを「TTLコード」で繋げはOKです。
さて、今回使用しているライトスタンドはスピードライトなので重量が軽いので、「Manfrotto ライトスタンド ナノスタンド 001JB」を使用しています。
このナノスタンドは軽し持ち運びも楽チンなんで重宝しています。
次に「露出計」で計測して、スピードライトの発光量を設定している「絞り:F値」になるように合わせます。
使用機材:SEKONIC 露出計 ライトマスタープロ L-478D
「露出計」は、単純に露出が計測出来ればいいので、安いモデルでも大丈夫です。
また、数か所で計測をすることで、影・トーンの落ち方も撮影前に知ることが可能となります。
例えば、顔の右側と左側を計測すれば、その差がわかりますよね。
基本的にストロボ撮影の時の「シャッタースピード」は「1/60」~「1/125」の間が適正なシャッタースピードとなります。
室外での撮影では明るさは決まっているので、「絞り」や「シャッタースピード」、「ISO感度」を調整して、適正な露出になるように合わせますが、ストロボ撮影では、「絞り:F値」と「ISO感度」から組立ます。
モデルが手に持っているのは「グレーカード」です。
ストロボの調光調整をして、適正露出になっているので、この「グレーカード」を使って、ホワイトバランスを調整します。
調整の仕方は、カメラによって異なりますが、カメラの設定にホワイトバランスのプリセット設定なるものがあると思います。
その設定を有効にして、露出が適正になっていれば、ピンとは合っていなくてもいいので、ファインダー一杯にグレーカードが入るようにして一枚撮影します。
カメラ側でホワイトバランスのプリセット設定が成功したか、失敗したかの表示が出ていると思いますので、成功していればOKです。
この左の写真と下の写真の背景の色の違いがわかりますか?
これが、ホワイトバランスを設定する前と、設定した後の違いです。
ここまでの流れで撮影を始める準備が整いました。
また、グレーカードでホワイトバランスの設定をしてからも、カラーチャートで一枚写真を押えておく場合もあります。
今回はカラーチャートは登場しませんでしたが、より厳密に色合わせが必要な時や、色調整をしやすくするために用いることがあります。
ホワイトバランスや色調整を厳密にやりだすと、かなりマニアックな世界になりますので、一般の撮影では必要はないと思います。
ちょっと豆知識としては、レンズによってもカラーバランスは若干変わったりもします。
レンズを付け換えて撮影をしている方なら、これは経験があることではないでしょうか。
お使いのソフトにレンズのカラープロファイルを設定可能なのでしたら、細かく紹介しているサイトなどを見ながら実際に設定してみるのも悪くないかも知れませんね。
今度は、ライティングに少し変更を加えてみました。
先ほどはアンブレラにスピードライトを反射させていたので、直射よりは穏やかな光源ですが、さらにソフトな光源にする為に、今度は、透過アンブレラに変更をしてみました。
これは、トレーシングペーパーなどでも同じような光源を生み出すことは可能ですが、今回はモデルさんの目にキャッチライトの光を入れたいので、透過アンブレラを用いてみました。
ライティングのセットを変更した時は、その都度「露出計」で適正露出になるようにストロボ側の光量調整をして、光源を反射させる面の色や透過させる生地の色によってホワイトバランスは変化しますので、出来ればホワイトバランスのプリセット設定もしたいところです。
透過アンブレラからの光源は、アンブレラに反射させた光源よりもよりソフトになっているのがわかりますか?
肌のテカリ方や押えられ、その反面全体的に暗い感じには見えるかもしれません。
今回はやっていませんが、真夏の太陽の下で撮影をしたような光源が欲しいのでしたら、ストロボの直射がそれになります。
陰影の差がハッキリと出て、夏らしいイメージの写真になりますよ。
そうですね。
その表現を用いれば、アンブレラの反射で撮影した写真は、薄曇りの日の雰囲気で、二枚目の写真は、曇りの日に撮影をした雰囲気の写真と言っても良いかもしれませんね。
ストロボ1灯にアンブレラ、反対側にカポック(レフ板)で基本的なポートレート写真の撮影は可能ですので、意外とお手持ちの機材の組み合わせ方で撮影の幅を広げることが可能です。
比較的多くの方は、光を回したがりますけれど、狙ったところに当てこむ写真の方が、被写体の個性などを引き出しやすいのではないかと私は思っています。
最後にレンズを交換して、モデルさんにも衣装を変えてもらい撮影をしました。
洋服の色ってモデルさんのイメージを大きく変えますね。
撮影中は、この色の衣装は似合わないのではと思いましたが、写真を後から見て見ると、この衣装ほうが彼女には似合っていました(笑)
今回撮影に協力をしてくれたモデルさんは、「有名大学ミスコン」にも出場されている、女子大生の小林友美さんです。
モデル:小林友美さん
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